eスポーツモバイル市場の動向
スマートフォンゲームを舞台としたeスポーツ市場が急速な成長を見せている。
若年層を中心とした新規ユーザーの増加と技術革新により、日本市場は2024年に1億3,990万ドルに到達し、さらに2033年までには年平均成長率12.1%で拡大。
最終的に3億9,110万ドル規模まで成長すると見込まれている。
グローバル市場でも、モバイルゲーム全体で2030年には1,819億ドルを突破する見通しだ。
eスポーツモバイルの人気タイトル
市場の成長を牽引しているのが、「PUBG Mobile」と「Free Fire」という2つの人気タイトルだ。
PUBG Mobileは2021年10月時点で月間収益1億9,700万ドルを記録し、モバイルゲーム収益で世界2位の座を獲得。
一方のFree Fireは、手軽な操作性と短時間で終わる試合展開が特徴で、東南アジアを中心に人気を集め、2022年の同地域での収益は790万ドルに達している。
モバイル市場が成長した背景
急成長の原動力となっているのは、めまぐるしい技術革新だ。
5Gネットワークの普及による通信環境の向上や、クラウドゲーミング技術の進歩で、端末の性能差による制約が緩和。
さらに、TwitchやYouTubeといった動画プラットフォームとの連携により、観戦に関する体験も大きく向上している。
地域性による流行りのゲームの違い
最大の市場となっているのはアジア太平洋地域で、中国、日本、韓国が牽引役となっている。
北米・欧州では依然としてPC・コンソールが主流だが、「Call of Duty: Mobile」や「Wild Rift」といった新タイトルが着実にファン層を拡大。
ラテンアメリカでは、低スペック端末でも快適に遊べるFree Fireが特に支持を集めている。
今後の課題
一方で、端末性能の差による公平性の確保や不正行為の防止、収益モデルの確立、プロ選手の育成など、解決すべき課題も山積している。
今後は、異なるプラットフォーム間での対戦を可能にする技術や、VR/AR技術の活用、AIによる体験向上など、新たな取り組みが期待されている。
さらに、eスポーツを教育に活用する試みも始まっており、その可能性は広がりを見せている。
eスポーツのモバイルという新しい市場の幕開け
モバイルeスポーツは、従来のPC・コンソールeスポーツとは一線を画す独自の発展を遂げてきた。
5G時代の本格到来を控え、さらなる技術革新や新しいゲーム体験の創出が期待される中、モバイルeスポーツは伝統的なeスポーツと肩を並べる存在として、確固たる地位を築きつつある。