東京ビッグサイトで開催された「東京eスポーツフェスタ2025」が、新たなeスポーツイベントのモデルケースとして注目を集めた。
1月10日から12日までの3日間、競技大会から産業展示、教育プログラムまで、多彩な取り組みが展開された。
6種目で競う東京都知事杯
メインイベントとなった競技大会では、『WBSC eBASEBALL™パワフルプロ野球』『グランツーリスモ7』『ぷよぷよeスポーツ』など6種目で熱戦が繰り広げられた。
特に『パワプロ』では、オンライン予選を勝ち抜いた16名によるトーナメントに、実況者として人気ストリーマーの「たいじ」「Clutch_Fi」が参加し、会場を沸かせた。

「普段はオンラインでしか対戦できない選手と直接対戦できる貴重な機会です」と語るのは、『グランツーリスモ7』の参加者だ。
120名が参加した同種目では、アマチュアからプロまで幅広い層が腕を競い合った。
eスポーツ産業と教育の融合
会場では50社以上の企業が最新技術を披露。
VR技術を活用した没入型体験コーナーには長蛇の列ができ、次世代eスポーツの可能性を予感させる結果となった。
注目を集めたのは教育プログラムだ。
小学生親子向けの『ぷよぷよ』プログラミング講座では、ゲームを通じた学習効果が実証された。
「子どもがプログラミングに興味を持つきっかけになった」と、参加した保護者からも好評の声が上がった。
世代と国境を超えた交流
国際交流プログラムでは、日本、サウジアラビア、シンガポールの学生が『ストリートファイター6』で対戦。
言語の壁を超えたゲームならではの交流が実現しました。
また、新潟県三条市からは高齢者向けeスポーツ活用事例が紹介され、介護予防や認知機能維持への効果が報告し「eスポーツは若者のものという固定観念を覆すことができた」と、主催者は手応えを語った。
経済効果も好調
3日間にわたって開催されたイベントには会場に9,000人が足を運び、オンライン配信は5万回の視聴を記録した。
経済効果は前回を15%上回り、近隣の飲食店からも「想定以上のお客様にご来店いただいた」という喜びの声が届いた。
人気eスポーツチーム「ZETA DIVISION」のファンミーティングには多くのファンが詰めかけ、会場は熱気に包まれた。
小池百合子都知事はビデオメッセージを寄せ、「eスポーツには世代を超えた可能性がある。
東京からその魅力を発信していきたい」と、今後への期待を語った。
このイベントは、単なる競技大会の枠を超え、eスポーツと教育や先端技術を融合させた、新しい形のフェスなった。
産業の発展と教育の充実、そして国際交流の促進を一つにまとめた今回の取り組みは、eスポーツの新たな可能性を示した。
「来年度はさらに規模を拡大し、より多くの方々にeスポーツの魅力を体験していただきたい」という主催者の言葉からは、教育市場などにeスポーツが飛躍を目指す熱意が伝わってきた。