FnaticがIMGとパートナーシップを締結

徳本 翔太

ロンドンを拠点とする世界有数のeスポーツチームFnatic(フナティック)は、スポーツやエンターテインメント領域で実績を誇るグローバル企業IMGとの新たなパートナーシップを発表した。

今回の契約により、IMGはFnaticの商業代理店(エージェンシー・オブ・レコード)として、スポンサー獲得やブランド提携戦略を包括的に支援していく。

FnaticはすでにアディダスやL’Oréal MEN EXPERT(ロレアル メン エキスパート)、Jack Link’s(ジャックリンクス)などといった企業とのパートナーシップ実績を持つが、今後はIMGのネットワークを通じて、アパレル、食品、テクノロジー、自動車など多岐にわたる業界のグローバルブランドとの連携を強化していく方針だ。

eスポーツの市場拡大に伴い、Fnaticは競技シーンだけでなく、ライフスタイルブランドとしての価値向上にも力を入れており、今回の提携はその一環と位置づけられる。

FnaticとIMG、それぞれの強みとは

Fnaticは2004年に設立されたeスポーツ組織で、これまでに30以上のタイトルで競技チームを運営してきた。

Fnaticの強み

とくに『League of Legends(リーグ・オブ・レジェンド)』や『VALORANT(ヴァロラント)』『Counter-Strike 2(カウンターストライク2)』などの主要タイトルで国際的な実績を誇る。

また、プロプレイヤーのマネジメントだけでなく、ライフスタイルブランドとしても展開し、アパレルやゲーミングデバイスの開発にも注力している。

一方のIMGは、エンターテインメントとスポーツ業界における世界的なマーケティング会社として知られ、長年にわたりオリンピック選手やプロスポーツチームの商業支援を行っている。

近年ではeスポーツにも本格参入し、Team LiquidやFaZe Clanなどの支援も行っている。

提携により期待される展開

今回の提携により、Fnaticはより多様な業界からのスポンサー獲得や、グローバルブランドとの共同プロジェクトの機会を得ることができる。

IMGの専門知識やネットワークは、Fnaticの既存の取り組みに新たな視点を加え、競技面のみならず商業的な成功を後押しするだろう。

また、両社はeスポーツ市場の成長を背景に、従来の枠組みにとらわれない戦略的なパートナーシップを進めていくとされている。

Fnaticのマーケティング責任者であるCraig Edmondson(クレイグ・エドモンドソン)氏は、「この提携は、私たちのビジネスを次の段階へと引き上げるものになる」とコメントしている。

Fnaticは過去に日本のゲームイベントへ出演経験があり、IMGも国内でスポーツイベントを展開しており、日本市場への影響も注目される。

まとめ

今回のFnaticとIMGの提携は、単なるスポンサー獲得の枠を超え、eスポーツチームがどのようにビジネス領域で成長していくかを示す重要な一歩といえる。

特に、これまでスポーツやエンタメ業界で培ってきたIMGのグローバルネットワークを活かすことで、Fnaticは世界各地でのブランド展開や新規市場への進出を図ることが可能になる。

eスポーツが競技の枠を超えてカルチャーとしても広がりを見せる中、こうした戦略的提携は今後さらに増えていく可能性がある。Fnaticの次なる動きに注目が集まる。

eスポーツライター。選手の素顔に迫るインタビューや大会レポートを得意とし、長年の経験を生かした独自の視点で業界の魅力を伝える。情熱を持ってeスポーツの今を発信中。