2025年5月、中国・上海で開催された国際eスポーツ大会「アジアンチャンピオンズリーグ2025(正式名称:Hero Esports Asian Champions League)」が閉幕した。
本大会は、アジアおよび中東欧諸国(CEEC)の強豪チーム・選手が一堂に会し、複数タイトルにわたって激戦を繰り広げた。
注目の「ストリートファイター6」部門では、日本人選手が上位を独占する快挙を成し遂げ、Esports World Cup 2025(EWC) 出場権も獲得している。
大会概要と主な種目
アジアンチャンピオンズリーグ2025は、アジア・欧州間のeスポーツ文化交流を目的とした国際大会で、賞金総額は200万ドル(約3億円)。
開催期間は5月16日〜18日、会場は上海の国際展示場。競技タイトルには以下の3種目が採用された。
- Dota 2
- Counter-Strike 2(CS2)
- ストリートファイター6
各部門の試合結果まとめ
Dota 2:Xtreme Gamingが圧巻の優勝
中国の強豪「Xtreme Gaming(エクストリームゲーミング)」が圧倒的なパフォーマンスでDota 2部門を制し、EWC出場権を手にした。
CS2:TYLOOが接戦を制す
同じく中国の「TYLOO(タイルー)」が、戦術力と個人技を活かしてCS2部門の王者に。こちらもEWC出場枠を獲得した。
ストリートファイター6:日本人選手が上位を独占
- 優勝:ときど(Tokido)選手
- 準優勝:ひぐち選手
- 3位:もけ選手
スト6部門では、日本の実力者が世界の強豪を抑えて上位を独占。EWC出場権は2位のひぐち選手と3位のもけ選手に与えられた。ときど選手はすでに他大会で出場権を保持していたため、繰り上げ枠となった。
日本勢の活躍とEWCへの期待

ストリートファイター6部門では、日本のときど選手が安定した試合運びで優勝を果たした。すでにEWC出場権を持つ彼に代わり、準優勝のひぐち選手と3位のもけ選手が出場枠を獲得している。
ひぐち選手は冷静な立ち回りと精度の高い攻防で安定感を発揮し、国際大会でも通用する実力を証明した。もけ選手は、相手の意表を突くような攻めのスタイルで観客を沸かせ、接戦を制しての3位入賞となった。
この結果により、EWCでは日本から2名の選手が本戦出場を果たすことになり、世界の舞台でどこまで通用するのか大きな注目が集まっている。
中国とCEEC諸国のeスポーツ連携
今回のアジアンチャンピオンズリーグ2025は、単なる国際大会ではなく、中国と中東欧諸国(CEEC)がeスポーツを通じて新たな国際連携を築く場として開催された。
競技を通じた民間交流だけでなく、文化発信や地域間の経済協力にもつながる取り組みとして注目されている。
中国政府はここ数年、eスポーツを「デジタル経済を牽引する成長分野」と位置づけており、都市単位でのeスポーツインフラ整備が加速。
特に上海や深セン、成都などではeスポーツ専用スタジアムや練習施設が次々と建設されている。また、大学や専門学校と連携した選手育成プログラムや就業支援制度も始まっており、プロシーンとアマチュア層の接続も意識された設計となっている。
このような取り組みは、国内の競技力向上にとどまらず、国際大会の招致や他国選手の受け入れによる外交的な効果も期待されている。今大会はまさにその象徴であり、CEEC諸国と中国の関係強化をeスポーツという新たな枠組みで進める取り組みとなった。