大手暗号資産(仮想通貨)取引所であるコインベース(Coinbase)が、Riot Gamesが主催するLeague of Legends(リーグ・オブ・レジェンド)およびVALORANT(ヴァロラント)の国際eスポーツ大会において、新たにグローバルスポンサー契約を締結した。
暗号資産業界からeスポーツ分野への本格的なマーケティング参入は、業界内外で大きな関心を集めている。
コインベースがRiot Gamesと公式契約|eスポーツ市場への新たな一手
今回の発表により、コインベースはRiot Games(ライオット・ゲームズ)の主催するLoL World ChampionshipやVALORANT Champions Tourといった主要国際大会において、公式スポンサーとしての役割を担う。

コインベースがRiot Gamesと提携するのはこれが初めてであり、eスポーツ業界への本格的な再参入と見られている。
近年の暗号資産業界は、価格の変動や市場規制の強化などにより、マーケティング戦略の見直しを迫られてきた。
そうした中で、若年層を中心に高いデジタル親和性を持つeスポーツとの連携は極めて理にかなった展開といえる。
コインベースとは何か?|アメリカ発の大手暗号資産取引所
コインベースは、2012年にアメリカで設立された暗号資産取引所であり、現在はNASDAQ上場企業でもある。

取引量、信頼性、セキュリティの面で国際的にも高く評価されており、仮想通貨市場におけるリーダー的存在である。
日本においては、2018年6月に市場進出を発表し、2021年6月には金融庁より暗号資産交換業者として登録を受けた。
さらに、2021年8月から国内サービスの提供を開始し、三菱UFJ銀行との提携を通じて、日本円による即時入金対応など利便性の高いサービスを展開していた。
しかし、2023年1月には日本での事業停止を発表しており、現在は国内でのサービス提供を行っていない。
なぜ今、eスポーツへの参入なのか?
2022年以降、仮想通貨業界は市場の縮小や複数の企業の破綻などを背景に、マーケティング活動を抑制する動きが目立っていた。
その中でも、ここにきて再び主要銘柄の価格回復や、米国でのETF承認などが市場の追い風となり、各社がブランド露出の再強化に乗り出している。
とくにeスポーツは、Z世代を中心としたユーザー層との接点を強化する手段として、広告効果が非常に高い。
LoLやVALORANTといったタイトルは、世界中で数千万人以上のファンを抱えており、スポンサーにとっては国際的な認知度を高める絶好の機会となる。
今後の注目ポイント|Web3やNFTとの連動にも期待
コインベースがRiot Gamesとの提携を通じて、どのようなプロモーション施策を展開していくかはまだ不明だが、過去に他企業が実施したようなTwitch連携による視聴報酬や、他チームによる限定NFT展開などの仕組みが導入される可能性もある。
Web3領域とeスポーツの融合はまだ発展途上であり、今後の展開によっては業界全体の流れを左右する重要な事例となる可能性もある。
まとめ
- コインベースがRiot Gamesと初の公式スポンサー契約を締結
- League of LegendsおよびVALORANTの国際大会にてブランド露出を強化
- 仮想通貨とeスポーツの親和性が高く、今後のマーケティング展開にも注目が集まる
- コインベースは日本市場にも進出したが、2023年に国内事業を停止している