2025年、eスポーツ業界において注目すべき放映契約が発表された。
世界的なeスポーツ大会を主催するBLAST(ブラスト)が、配信企業eCLUTCH(イークラッチ)とグローバル放映権契約を締結したのである。
この提携により、『Fortnite(フォートナイト)』や『Rocket League(ロケットリーグ)』などの人気タイトルを含むライブイベントが、テレビやOTTサービスを通じて世界中で「ほぼ毎週」放映される予定だ。
eCLUTCHとは?──メディア業界の知見を活かしたeスポーツ配信企業

eCLUTCH(イークラッチ)は、メディアや放送業界のベテランによって設立されたeスポーツ専門の新興企業である。主な特徴は以下のとおりである。
- Esports Business Arena(eスポーツビジネスアリーナ)の元責任者や、大手メディア出身者が中核メンバー
- OTT(インターネット経由の映像配信)やFAST(無料・広告付き配信)に強み
- ライブ大会の放映、録画視聴(VOD)、双方向型チャンネルの展開
最新のテレビ配信技術を活用し、世界中のeスポーツファンに向けて高品質なeスポーツ大会観戦の提供をしている。
テレビ放映が変えるeスポーツの未来
eCLUTCHとの提携により、BLAST主催の大会はテレビの定期枠に近い形で放映される見通しとなった。これにより、eスポーツは以下のような進化を遂げる可能性がある。
- 視聴者層の拡大:YouTubeやTwitchを利用しない一般視聴者層にリーチ可能となり、家族での視聴や高年齢層の関心も見込まれる。
- 信頼性の向上:公共性のあるテレビ放映は、eスポーツを”娯楽”から”スポーツ”として認識させる契機となる。
- 収益機会の増加:テレビ広告や企業スポンサーの参入が進み、チームや選手の収益化が加速する。
オンライン配信と異なり、テレビは偶然の視聴やチャンネル回しによって新規ファンを獲得できる点も大きい。
従来のeスポーツの枠組みを超え、マス向けの競技コンテンツとして新たな成長段階に入ることが期待される。
まとめ
eCLUTCHとBLASTによる放映契約は、「eスポーツがテレビで放映される時代」の到来を告げる象徴的な動きである。
これまでオンライン中心だったeスポーツの在り方は、今後テレビ放映との融合によって大きく進化していくだろう。
視聴者の多様化、認知の拡大、収益構造の強化といった変化を通じて、eスポーツはより社会に根付く存在へと変貌を遂げていくと考えられる。