Overwatch 2の新モード「スタジアム」はeスポーツに適しているか?

利光 哲也
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オーバーウォッチ2 スタジアムモード

Overwatch 2(オーバーウォッチ 2)の最新モード「スタジアム(Stadium)」は、2023年の続編リリース以来、最も影響力のある追加要素の一つとなっている。

このモードは、ラウンド制やアップグレードシステムなど、従来のゲームプレイとは一線を画す要素を取り入れており、プレイヤーに新鮮な体験を提供している。

ゲームディレクターのアーロン・ケラー(Aaron Keller)は、今月初めのブログ投稿で、スタジアムモードがリリース初週にOverwatch 2の総プレイ時間の50%以上を占めたことを明かした。

Blizzardのプレスリリースによれば、リリース初週には230万試合が行われ、合計780万時間のプレイ時間を記録した。これは、以前最も人気のあったゲームモードのリリース週の2倍以上の数値である。

このような人気の高まりを受けて、Blizzardはスタジアムモードを「クイックプレイ(Quick Play)」や「コンペティティブ(Competitive)」と並ぶ「第3の柱」と位置づけ、今後のロードマップで新モードや新ヒーロー、新マップなどの追加を予定している。

このような動きから、スタジアムモードがeスポーツシーンに進出する可能性も見えてくる。しかし、数ヶ月後、あるいは1年後にこのモードの人気が持続しているかどうかが、プロシーンへの展開の鍵となるだろう。

eスポーツシーンへの適性

スタジアムモードのゲームプレイは、クイックプレイやコンペティティブとは大きく異なる。このことから、トーナメントやステージ制などのプロシーンに適しているのかという疑問が生じる。

スタジアムモードは、最大7ラウンドで構成される。

VALORANT(ヴァロラント)やCounter-Strike 2(カウンターストライク 2)など、複数ラウンド制のゲームが成功している例もあり、ゲームのフォーマット自体は問題ではない。

しかし、問題はゲーム内のアーマリーシステムにある。

アイテムやパワーによって、プレイヤーはヒーローの能力を試合中に変更できる。

これは、Overwatch Champions Series(OWCS)で導入されたヒーローパークに似ており、プロシーンでのアップグレードやビルドの導入に関する議論を呼んでいる。

一部のプレイヤーは新鮮な変化として歓迎しているが、他のプレイヤーはスキル表現の低下やメタの固定化を懸念している。

スタジアムモードのeスポーツ展開の可能性

スタジアムモードは、ラウンド制のフォーマットや定期的なアップデートの約束、プレイヤーからの人気など、eスポーツ展開の基盤を備えている。

しかし、実際にプロシーンとして成功するかどうかは、今後のプレイヤーの関心の持続や、ゲームバランスの調整、観戦のしやすさなど、多くの要素に依存する。

Blizzardがスタジアムモードをどのように育てていくのか、今後の動向に注目が集まる。

eスポーツライター。業界の歴史と最新トレンドを深く理解し、幅広い視点で記事を執筆。戦略分析や選手インタビューを通じて、読者にeスポーツの魅力を届ける。専門的な知見をわかりやすく伝える記事が人気。