2025年5月12日、チームリキッド(Team Liquid)は、サウジアラビア・リヤドで開催されるEsports World Cup(EWC)への参加に先立ち、新たな取り組みを発表した。
同組織は、6月から7月にかけて開催される複数のタイトルの大会において、プライドジャージを着用することを決定。この取り組みは、包括性への意識を高め、北米、ヨーロッパ、ブラジルのLGBTQ+プロジェクトへの資金提供を目的としている。
チームリキッドは声明で、「6月と7月の間、世界中でプライドジャージを着用し、すべての収益を我々の主要地域のLGBTQ+団体に寄付する」と述べた。また、LGBTQ+の人々が迫害から逃れる手助けをする慈善団体「Rainbow Railroad」に対し、5万ドルの寄付を継続することも明らかにした。
この決定は、2024年の初開催時にEsports World Cup Foundationの承認を得てプライドジャージを着用したことに続くものである。チームリキッドは、Esports World Cupのクラブプログラムに参加する40のeスポーツ組織の一つであり、同プログラムはeスポーツの持続可能な成長とグローバルな発展を促進することを目的としている。
チームリキッドは、「国内外を問わず、すべての人のためのeスポーツを推進するという我々のコミットメントを再確認する」と述べ、政治的な状況に関係なく、LGBTQ+の人々が活躍できるeスポーツの世界を目指す意向を示した。
Esports World Cupは、サウジアラビアの公共投資基金が直接関与するEsports World Cup Foundationによって運営されている。この関与は、同国のスポーツおよびエンターテインメント分野での存在感を拡大する試みとして、一部のeスポーツコミュニティから批判を受けている。このような取り組みは「eスポーツウォッシング」とも呼ばれ、同国の人権記録から注意をそらすための手段と見なされている。
まとめ
- チームリキッドは、Esports World Cup参加にあたり、プライドジャージの着用とLGBTQ+支援を通じて、eスポーツにおける多様性と包括性を積極的に推進している。
- 6~7月の大会期間中に得られる収益は、北米・欧州・ブラジルのLGBTQ+関連団体へ寄付されるほか、Rainbow Railroadへの継続的な支援も明言されている。
- 政治的背景が議論を呼ぶ中でも、チームリキッドは「誰もが活躍できるeスポーツ」を実現する姿勢を貫いており、その社会的スタンスが今後の注目を集めそうだ。