2025年5月、eスポーツチーム「チームリキッド(Team Liquid)」とホンダのスポンサー契約が正式に終了した。
両者は2019年から6年にわたり協力関係を築いており、プロモーション活動やチームブランドの構築においても注目を集めていた。
今回の契約終了は、SNS上での選手の発言が直接的な引き金となった。チームとスポンサー、両者にとって大きな転機となったこの出来事は、eスポーツにおける発信の影響力と責任の重さを浮き彫りにしている。
原爆を連想させる投稿と契約終了の経緯
契約終了の発端となったのは、『レインボーシックス シージ』部門に所属するルーカス・ディアス選手によるSNS投稿である。

ディアス選手の投稿には、原爆の爆発を想起させるGIF画像が添付されており、日本のチーム「CAG 大阪」を揶揄する内容であったことから、国内外のeスポーツコミュニティで批判が殺到した。
これを受け、チームリキッドはディアス選手に対して4か月間の報酬没収という処分を下し、公式声明にて謝罪。
さらに、全選手およびコーチ陣に向けた再教育プログラムの実施も発表した。
しかし、ホンダ側はこの対応を「企業としての価値観と一致しない」として評価せず、即時にスポンサー契約を解除。6年間続いたパートナーシップに終止符が打たれる結果となった。
両者の協業では、チームリキッドのロゴ入りユニフォームや共同制作によるCM展開などが行われていた。とりわけDoublelift選手が出演した「Why We Didn’t Sign Doublelift(なぜ私たちはDoubleliftと契約しなかったのか)」などの映像は、ファンの間でも大きな話題を呼んだ。
今回の契約解消により、チームリキッドにとって経済的打撃となるかは不明だ。
チームリキッドの現在と社会的な取り組み
チームリキッドは、今回の騒動を受けつつも、競技面だけでなく社会的な価値発信にも積極的な姿勢を見せている。
最近では、サウジアラビアで開催されるEsports World Cupにてプライドジャージの着用が認められたことでも注目を集めている。
今後は新たなスポンサーの獲得やブランドの立て直しが求められるが、今回の一件を通じて、組織内の発信リスクや倫理観の重要性があらためて問われている。
まとめ
- チームリキッドとホンダのスポンサー契約が2025年5月に終了した
- 原爆を示唆するSNS投稿が原因となり、ホンダは契約解除を決断
- 両社は過去に共同CMやブランディングを展開していた
- チームリキッドは再教育と処分を実施しつつ、社会的な発信も継続中
- eスポーツ業界において、発信と行動の責任が今後さらに問われていくことになる