チーム・ヴァイタリティがVRSランキング首位を維持

利光 哲也
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チーム・ヴァイタリティ ランキング

フランスのeスポーツチーム「チーム・ヴァイタリティ(Team Vitality)」が、2025年5月5日付のValve Regional Standings(VRS)において、2,117ポイントを獲得し、世界ランキングの首位を維持した。これは、2位のドイツチーム「マウズ(MOUZ)」に247ポイントの差をつける結果であり、現在のCounter-Strike 2(CS2)シーンにおけるヴァイタリティの支配力を強く印象づけている。

このポイント差は、IEMメルボルン大会やBLAST Rivalsといった主要大会での連続優勝により築かれたものだ。特にBLAST Rivalsでは、サウジアラビアの「チーム・ファルコンズ(Team Falcons)」を決勝で破り、5大会連続優勝を達成。これにより、ヴァイタリティはCS2史上2番目に長い25連勝を記録した。なお、最長記録は「ニンジャズ・イン・パジャマズ(Ninjas in Pyjamas)」が持つ60連勝である。

チーム・ヴァイタリティの連勝はどこまで続くのか?

BLAST Rivalsの決勝戦では、ファルコンズが最初のマップ「インフェルノ(Inferno)」で勝利を収め、ヴァイタリティの連勝を一時的に止めた。しかし、続く「ダスト2(Dust2)」と「トレイン(Train)」ではヴァイタリティが巻き返し、最終マップ「ニューク(Nuke)」では13-8で勝利を収めてタイトルを獲得した。

この大会で特筆すべきは、「マチュー・“ザイウー”・エルボー(Mathieu “ZywOo” Herbaut)」の活躍である。彼はこの決勝でもMVPに選ばれ、通算25回目のMVP受賞を果たした。彼の安定したパフォーマンスが、チームの快進撃を支えていることは間違いない。

今後の展望

ヴァイタリティは、5月19日から25日にかけてアメリカ・テキサス州ダラスで開催される「IEMダラス大会」への出場を予定している。さらに、6月2日から22日まで行われる「BLAST.tvオースティン・メジャー」にも参加予定だ。オースティン・メジャーは、CS2時代において3回目となるメジャー大会であり、ヴァイタリティにとって連勝記録をさらに伸ばす絶好の舞台となる。

VRS更新で「FISSURE Playground」への出場チームが決定

今回のVRS更新により、セルビア・ベオグラードのサヴァ・センター(Sava Center)で開催される「フィッシャー・プレイグラウンド(FISSURE Playground)」への招待チームが決定した。上位16チームが賞金総額42万5,000ドルをめぐって競い合う予定であり、ここでもヴァイタリティの存在感が試されることとなる。

まとめ

ヴァイタリティのCS2における圧倒的な成績は、単なる一過性のものではない。チームの結束力、戦略的なプレイ、そしてザイウーのようなスター選手の存在により、今後も連勝記録がさらに伸びる可能性は高い。次のIEMダラス、そしてオースティン・メジャーで彼らがどのようなパフォーマンスを見せるのか、世界中のファンの注目が集まっている。

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