世界的なeスポーツ運営企業BLAST(ブラスト)が、マルタ政府が設立したGamingMalta(ゲーミングマルタ)と複数年契約を結び、地中海の島国・マルタをeスポーツの中心地とするプロジェクトを発表した。
マルタに拠点設立、3年間で9大会を開催予定
BLASTは、今後3年間で合計9つの国際eスポーツ大会をマルタで開催する予定だ。
第1弾は2025年8月に予定されている「BLAST Premier Bounty S2(ブラスト・プレミア・バウンティ)」で、カウンターストライクのトップチーム32組が賞金総額50万ドルをかけて競い合う。
さらにBLASTは、マルタ島内に1000平方メートル規模の放送・制作スタジオを常設で設立し、地域に根差したコンテンツ制作・運営チームも配置する計画だ。
グローバルとローカルの融合を図りながら、マルタをeスポーツのハブへと発展させる狙いがある。
GamingMaltaとは?政府主導のゲーム振興団体

GamingMalta(ゲーミングマルタ)は、マルタ政府およびマルタゲーミングオーソリティ(MGA)によって設立された独立系の非営利団体である。
マルタを世界的なゲームおよびiGaming(オンライン賭博)分野の中心地として発展させることを目的に、さまざまな支援活動を展開している。
教育やビジネスへの支援、地域社会との連携を通じて、ゲーム業界のエコシステムを育成しており、今回のBLASTとの提携もその取り組みの一環といえる。
地域経済と次世代へのインパクト

このパートナーシップは単なるイベント開催にとどまらず、マルタ国内の観光・ホスピタリティ業界や、教育・キャリア機会にも波及する構想となっている。
たとえばBLASTは、地元の大学やeスポーツ団体と協力し、若者に向けた研修やキャリア開発プログラムも検討。
コンテンツ制作・運営に関わる人材育成を通じて、地域経済の活性化とeスポーツ人材の創出が期待されている。
世界規模の展開とeスポーツ業界への影響
BLASTはこれまでもコペンハーゲン、ロンドン、シンガポールなど世界各地でイベントを展開し、FortniteやPUBG、Counter-Strikeなどの競技タイトルにおいて、グローバルなeスポーツシーンを牽引してきた。
マルタへの進出は、BLASTの国際戦略の一環であり、南欧地域におけるeスポーツ展開の拠点づくりとして位置づけられている。
島国に常設のスタジオを構えるのは珍しく、今後、他の地域への展開モデルとしても注目を集めている。
まとめ:BLASTとマルタ政府の提携
- マルタ政府の主導でeスポーツ拠点化を推進:GamingMaltaとの提携により、マルタは欧州におけるeスポーツハブとしての地位を強化。
- BLASTがスタジオ・イベント拠点を常設化:現地スタジオの建設と大会の定期開催で、長期的かつ持続可能なeスポーツ環境を整備。
- 地域人材の育成と経済効果にも注目:学生やクリエイターへの機会創出を通じ、観光・教育・雇用など多方面への波及効果が期待される。