大人気バトルロイヤルゲーム『フォートナイト(Fortnite)』の開発元であるエピックゲームズ(Epic Games)は、チートツールを開発・販売していた個人に対して新たな訴訟を提起した。
対象となったのはエディズ・アタス(Ediz Atas)氏で、オンライン上では”Sincey Cheats”や”Vanta Cheats”の名で活動していたとされる。
壁抜け・オートエイムで不正
『フォートナイト』の開発元であるエピックゲームズは、悪質なチートツールの開発・販売を行っていた人物「アタス」氏に対し、法的措置を取った。
訴状によれば、アタス氏は以下のような機能を持つツールを2023年1月以降に販売していた:
- ウォールハック:壁越しに敵の位置が透けて見える
- オートエイム:敵を自動で狙う機能
- アンチチート回避:公式の対策をすり抜ける仕組み
これらのツールは、ゲームの公平性を著しく損ね、プレイヤー体験や競技環境に深刻な影響を与えていたとされている。
さらにアタス氏は、エピック社員を装ってYouTubeに虚偽の著作権申請を行うなど、チート関連動画の削除を妨害した疑いも持たれている。
今回の訴訟では、ツールの配布に関与したとされる5名の匿名人物も対象となっており、DiscordやTelegram、専用ウェブサイトなどを通じて拡散が行われていたことが指摘されている。
チートに対する業界全体の厳格化

エピックゲームズはこれまでも、永久BANや謝罪の公表など、チートに対する強硬な姿勢を貫いてきた。今回の訴訟は、開発者・販売者に対しても責任を問う動きの一環として注目されている。
同様の取り組みは他社にも広がっており、『リーグ・オブ・レジェンド(League of Legends)』を開発するライアットゲームズ(Riot Games)や、『デスティニー(Destiny)』シリーズのバンジー(Bungie)も過去にチート制作者を提訴し、多額の賠償判決を勝ち取っている。
競技シーンの健全化に向けて
チート問題はゲームの楽しさだけでなく、eスポーツシーンや収益モデルにも悪影響を及ぼす。
エピックゲームズは、コスメティックアイテムやバトルパスといったゲーム内課金を収益の柱としており、正規プレイヤーの離脱はビジネスにも打撃を与える。
『フォートナイト』は現在もチャプター6 シーズン3が進行中で、スター・ウォーズとの新たなコラボも話題となっている。そうした中で、健全なゲーム環境の維持は今後も重要な課題といえる。
まとめ
- フォートナイトのチートツール開発者に対し、エピックゲームズが法的措置を実施
- ゲーム内の公平性とビジネスモデルを守るための取り組み
- 業界全体でチート制作者への対応が強化される傾向にある