ウクライナのeスポーツ組織Natus Vincere(NAVI)は、League of Legends EMEA Championship(LEC)への参入を正式に発表した。これは、これまでLECに出場していた欧州組織Rogue(ロウグ)の参戦枠の買収によるものである。2025年サマー・スプリット(8月2日開始)からNAVIがLECで戦うことになる。
NAVIはこれまでCounter‑StrikeやDota 2などで数多くのタイトルを獲得している実績ある組織だが、League of Legendsにおいては2012〜17年に小規模リーグ参戦歴があり、Tier1のLECは今回が初出場となる 。
参入までの経緯と背景
Rogueの親会社ReKTGlobalは、2023年秋以降LEC参戦枠の売却を模索していた。昨年はTeam FalconsやNigma Galaxyとの交渉も行われたが、決裂し、最終的にNAVIが交渉をまとめた形となる。
交渉は数か月にわたり進められ、先日双方が合意に至り、正式にNAVIへの枠移譲が完了したことがRiot Gamesからも発表された 。
既存スタッフ&選手はそのまま移籍
この合意により、Rogueに所属していた選手、コーチ、アナリストなどのスタッフもNAVIへ引き継がれると報じられている 。当面はRogue体制を踏襲しつつ、夏に向けて編成を進め、Tier1リーグで戦える体制を整える方針だ 。
LEC側:Karmine Corp以来の新チーム参入となり、NAVIのブランド力とファン基盤によって視聴者数が増加する可能性がある。
NAVI側:「Born to Win」の理念に基づき、Tier1の戦いで歴史を刻むチャンスと位置付けている 。
今後の見どころと懸念点
夏スプリット開始までに、NAVIは現Rogueの中核である選手・スタッフを維持しつつ、独自の強化を図ると見られている。
競技力向上のための編成変更やビルド調整が注目される。NAVIの競技戦略がLECの既存チームにどれほど通用するかが鍵だ。
長期的には、NAVIがMSIやWorldsなど国際大会で成果を示せるかどうかが評価ポイントとなる 。
総括
Rogueの退場とNAVIのLEC入れ替えは、欧州League of Legendsシーンにおける転換点である。NAVIがTier1の一角で存在感を放てば、LEC全体に新しい波を生むことは間違いない。
今後の夏スプリット開幕、新体制の動向、選手・コーチ陣の採用状況、そして視聴者動向などが焦点となる。NAVIというビッグネームの参入は、LECに新風をもたらすだろう。