ポケモンGO 9周年イベントから見るeスポーツ化の可能性

徳本 翔太
calendar-icon
ポケモンGOロゴ

『Pokémon GO(ポケモンGO)』が、ついに9周年を迎えた。

2025年7月1日から記念イベントがスタートし、特別な衣装をまとったポケモンや限定ボーナスが多数登場する。

位置情報を使って現実の世界を歩きながら楽しむこのゲームは、リリース当初から世界中で人気を集めてきた。今でも多くのユーザーがプレイを続けており、定期的なイベントや新機能の追加によって盛り上がりを保っている。

今回は、9周年イベントの内容を紹介しつつ、ポケモンGOの現在の盛り上がりや、対戦機能「PvP」の競技性から見たeスポーツとしての可能性についても考えてみたい。

ポケモンGOのPvPとは?

ポケモンGOには「PvP(Player vs Player)」と呼ばれる個人対戦機能がある。

これは、育成したポケモンを使って他のプレイヤーと3対3でバトルするシステムであり、最大CP(コンバットパワー)によって3つのリーグに分類されている。

  • スーパーリーグ(CP1500以下)
  • ハイパーリーグ(CP2500以下)
  • マスターリーグ(制限なし)

選出するポケモンや技構成、交代タイミングなどに戦略性があり、単なる運ゲーにとどまらない奥深い読み合いが魅力だ。

興行性を支える過去の大会とライブ配信の実績

ポケモンGOは、世界大会「ポケモンワールドチャンピオンシップス(WCS)」の正式競技として採用されている。

ポケモンワールドチャンピオンシップス(WCS)

毎年夏に開催されるこの大会では、世界中のトップトレーナーたちがリアルタイムで対戦し、その様子はライブ配信を通じて世界中のファンに届けられる。

実況や解説によって試合の駆け引きが可視化されるため、プレイヤーだけでなく観戦者にも分かりやすい内容となっており、eスポーツの舞台としても十分に成立している。

今後、ポケモンGOがeスポーツとして定着するか?

ポケモンGOはすでにeスポーツとしての道を歩み始めているものの、本格的に定着するにはまだいくつかの課題がある。

たとえば、位置情報を活用するゲームの特性上、通信環境や会場の確保が他のeスポーツに比べて難しいといった問題がある。

ただし、ポケモンGOを運営するナイアンティック社は、オンラインでの予選大会を導入するなど、競技環境を整える取り組みを進めている。また、世界大会(WCS)も毎年開催されており、競技としての信頼性も高まっている。

地域ごとのコミュニティ大会や、ライブ配信を通じた観戦の楽しみ方も広がっており、今後ますますeスポーツとしての発展が期待される。

ポケモンGOは進化を続ける

9周年イベントの盛り上がりは、ポケモンGOの人気が依然として高いことを示している。

PvP機能の洗練や大会運営の強化により、競技シーンは確実に成長しており、今後の10周年、そしてその先の展開にも注目が集まる。

ポケモンGOがどこまでeスポーツとして定着するか、プレイヤーの戦略性と観戦者の興奮がどこまで融合していけるかにかかっている。

eスポーツライター。国内外のeスポーツやゲーム業界のニュースを中心に、アップデート情報や選手・チームの動向を幅広く情報収集。 対戦型タイトルやチーム競技を中心に、スピードを重視をした情報提供を心がけている。 さらに、読者にとって「実用的でタイムリーなニュース」を届けるということをモットーとしている。