サウジアラビアにeスポーツ施設4会場を新設

徳本 翔太
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True Gamers(トゥルー・ゲーマーズ)の施設

サウジアラビア・リヤドに、新たに4つのeスポーツ施設が誕生することが発表された。

中東発のゲーミングブランド「True Gamers(トゥルー・ゲーマーズ)」が主導するこの展開は、国内におけるeスポーツインフラ整備をさらに加速させる動きとして注目を集めている。

サウジアラビアは国家戦略「Vision 2030」の一環として、ゲーム・eスポーツ分野への積極的な投資を進めており、今回の施設開設もその流れに沿ったものだ。

リヤドに4つの新会場を開設したTrue Gamersとは?

「True Gamers(トゥルー・ゲーマーズ)」は、2022年に設立された中東発のeスポーツ施設運営企業で、UAEを中心に15カ所以上のゲームカフェやアリーナを展開している。

True Gamers(トゥルー・ゲーマーズ)とは?

最新のゲーミング機材を完備し、初心者からプロ志望者まで幅広く受け入れる施設運営が特徴だ。

今回リヤドに開設される4つの会場は、同社にとってサウジアラビアで初のマルチ拠点展開となる。すでにメッカでもフランチャイズ契約を結び、旗艦店の建設が進められていることから、サウジ市場への本格参入が伺える。

サウジ新会場の運営は地元チームが担当

リヤドに新設される4会場は、サウジアラビア国内のeスポーツ団体「CRIT Gaming Saudi」によって運営される予定だ。

CRIT Gaming Saudiは、True Gamersのサウジ代表であるイリヤ・ユリエフ氏が率いており、現地プレイヤーやファンとの接点を重視したローカル密着型の運営を目指している。

このような現地パートナーシップは、他国でも成功してきたTrue Gamersの戦略であり、サウジでも同様に地域密着での施設運営が期待されている。

UAEから世界へ、True Gamersの拡大とeスポーツ文化への貢献

True GamersはUAEを拠点としながら、モロッコ、ヨルダン、フランス、ドイツといった各国にも事業を広げている。

週に最大7つのトーナメントを開催し、ソニーやLGなどのブランドと協力しながら、アラブ初の女性専用eスポーツ施設「eQueens Villa」などの先進的なプロジェクトも推進してきた。

このような取り組みは、中東から欧州にかけてのeスポーツ文化形成に大きく寄与しており、今後はサウジアラビア市場でも同様の成果が期待されている。

サウジのゲーム戦略「Vision 2030」とeスポーツ施設の関係

Vision 2030のロゴ

サウジアラビア政府は、国家戦略「Vision 2030」に基づき、ゲームとeスポーツ分野に130億ドル超の投資を計画している。

これにより、約39,000人の雇用創出と、年間120億ドル以上のGDP貢献を見込んでおり、eスポーツ施設の整備はその中核を担っている。

今回のリヤドでの新会場開設は、まさにこの政策の実行フェーズに位置づけられ、サウジ国内外からの注目を集めている。

今後の注目事例:Gen.Gが韓国に開設したeスポーツ施設との比較も

eスポーツ施設の整備は世界各地で加速しており、最近ではGen.G(ジェンジー)が韓国・ソウルに開設した一般型ゲーミング施設「Gen.G Gaming Xperience(GGX)」が注目を集めている。

こうした動きは中東にも波及しており、サウジアラビアでもリヤドを中心にeスポーツインフラが整備されつつある。

世界中でeスポーツの設備や観戦の楽しみ方が進化し、業界の盛り上がりが加速している。

eスポーツライター。国内外のeスポーツやゲーム業界のニュースを中心に、アップデート情報や選手・チームの動向を幅広く情報収集。 対戦型タイトルやチーム競技を中心に、スピードを重視をした情報提供を心がけている。 さらに、読者にとって「実用的でタイムリーなニュース」を届けるということをモットーとしている。