ラテンアメリカでは今、eスポーツを対象とした賭博市場が急成長を見せている。
なかでもブラジルは、人口・文化・ストリーマーの影響といった複数の要素が相まって、世界の賭博事業者から大きな関心を集めている。
本記事では、ラテンアメリカでeスポーツ賭博が広がる理由と、今後の可能性についてわかりやすく整理する。
若年層の多さとゲーム文化が後押し
ラテンアメリカでは30歳未満の若者が人口の4割を占めており、スマホの普及も進んでいる。

この環境が、モバイルゲームやストリーミング文化、ひいてはeスポーツと賭博市場の成長を後押ししている。
とくにブラジルでは、Twitch視聴時間が世界2位を記録しており、人気ストリーマーGaules(ガウレス)らの存在が大きな影響を持つ。
彼らの配信を通じて、若者がゲームだけでなくベッティングにも自然に関心を持つ流れが生まれている。
さらに、ネイマール(FURIA支援)やカゼミーロ(Case Esportsオーナー)といったサッカー選手の参入も、既存スポーツファン層を巻き込む一因となっている。
データで見るブラジル市場の注目度
eスポーツベッティング企業のレポートによると、2023年から2024年にかけて、世界のeスポーツ賭け金は175%増加。
なかでもブラジルは、同社の取扱高で世界トップ5に入っており、参加者数でも2位を記録している。
また、賭けの対象となるeスポーツタイトルにも地域差がある。
ブラジルでは『カウンターストライク2(CS2)』と『リーグ・オブ・レジェンド(LoL)』が主流で、ペルーでは『Dota 2』が圧倒的な人気を誇る。市場ごとの文化や嗜好を理解し、現地に合った製品設計が求められている。
eスポーツはZ世代の新たな接点に
eスポーツ賭博の大きな特徴は、他のスポーツと比べてZ世代などの若年層との接点が多い点にある。
平均的なeスポーツベッターは20代前半であり、野球やフットボールなどでは届かないZ世代の獲得に繋がっている。
この層は広告ブロックや情報リテラシーに長けており、従来のマーケティングが通用しにくい。
だが、eスポーツという共通言語を通じたアプローチなら、自然に関心を引くことが可能だ。長期的には高い顧客価値が見込める層である。
世界の成長に日本はどう向き合うか?
日本ではeスポーツベッティングに対して慎重な姿勢が根強いが、海外での急成長を受けて関心は高まりつつある。
法制度や文化的制約はあるものの、今後の議論次第では道が開かれる可能性もある。