ライアットゲームズ(Riot Games)が、League of Legends(リーグ・オブ・レジェンド)やVALORANT(ヴァロラント)のプロチームに対して、スポーツベッティング(賭博)スポンサーシップを許可する方針を発表した。
この動きは、eスポーツ業界にとって大きな転換点となる可能性がある。
スポンサー解禁の背景にある事情
ライアットはこれまで、eスポーツと賭博の関係には慎重な姿勢をとってきた。

しかし今回、アメリカ、ヨーロッパ、中東、アフリカ(EMEA)地域のTier 1チームに限り、賭博会社とのスポンサー契約を認める方針を打ち出した。
この背景には、すでに世界中で賭博活動が非公式に行われている現実がある。
ライアットは「我々が関与しなくてもeスポーツ賭博は存在する」と明言し、むしろ公式な形で関与することでリスクを最小化しようとしている。
ファンや選手を守る「ガードレール」政策とは
ライアットは、賭博スポンサーの容認に際して厳格なルールを設けている。主な取り組みは以下の3つの通り。
- パートナー企業の審査と承認プロセスの導入
- 正規データ提供企業「GRID」との連携による不正防止
- 各チームに対する内部ガイドラインと教育プログラムの義務化
また、未成年プレイヤーの保護や競技の公正性を守るため、継続的な監視体制の強化にも取り組むとしている。
若手支援と視聴者への配慮も
新たなスポンサー制度によって得られた収益の一部は、下部リーグ(Tier2)への投資にも活用される。
賞金や大会数の増加、教育プログラムの拡充などが予定されている。
一方で、視聴者体験の保護にも配慮されており、Riot公式チャンネルや放送内での賭博広告は禁止される。
各チームが独自に展開するSNSやユニフォームなどに限定した露出に留めるとしている。
eスポーツと賭博の未来、日本市場はどう関わるか
eスポーツ賭博が国際的に広まる中、日本のeスポーツベッティングは議論が進みにくい状況が続いている。
とはいえ、アメリカやEMEAでのライアットの新方針が世界標準となることで、日本の議論にも影響を与える可能性がある。
eスポーツベッティングを取り巻く動きは、これまでにも各地域で取り上げられており、そうした背景をふまえることで、今回のライアットの決断も理解しやすくなるだろう。
まとめ
- ライアットはアメリカやEMEAのTier1チームに賭博スポンサーを解禁
- 厳格な審査と公正性維持の仕組みで選手とファンを保護
- 得た収益は若手支援や教育に還元、視聴体験の保護にも配慮
この取り組みがeスポーツの持続的な成長につながるのか、今後の動向に注目したい。