史上初のオリンピックeスポーツ開催2025年から2027年へ延期

藤長 豊
史上初のオリンピックeスポ

国際オリンピック委員会(IOC)は、史上初めて開催される「オリンピックeスポーツゲームズ」を2027年にサウジアラビアの首都リヤドで開催すると正式発表した​。

2025年2月11日になされたこの発表では同大会は当初2025年開催が予定されていたが、諸々の事情を考慮した結果、初開催が2年延期されることを明らかにしたものだ​。

しかし、2025年はその2027年開催に向け具体的なアクションが行われることも明かされ、関係者やファンの間では失望とともに前進への希望が広がっていることも確かである。

現時点での大会の概要とフォーマット

初回大会は2027年にリヤドで開催され、IOCとサウジアラビア・オリンピック委員会(SOPC)が共同で運営する予定。

IOCはサウジアラビアと12年間の長期パートナーシップを結んでおり、今後この新大会を定期的に開催していく計画があるという。

IOCは常に若年層のファン拡大に熱心だがeスポーツもその対象で、2021年にはパイロット版としてオリンピックバーチャルシリーズも実施してきた​。

大会は複数の種目のビデオゲーム競技で構成され、各競技タイトルは対応する国際競技連盟の協力のもと選定される予定。

2025年から始まる「Road to the Games」

IOCのトーマス・バッハ会長は「2025年からオリンピックeスポーツゲームズへの道が開幕する」と述べており、今年より各国代表チームによる予選大会が順次スタートすると見られている。

この「Road to the Games」構想に基づき、世界各地で公平な参加機会を提供する予選プロセスが展開される見通しでIOCとSOPCから各3名ずつで構成される合同委員会(計6名)も設置され、初回大会で実施されるゲームタイトルや大会形式の最終決定にあたっているがまだ最終的な決定はなされていない。

また、サウジアラビア主導で昨年開始されたeスポーツワールドカップ財団(EWCF)が創設パートナーとして参画し、競技タイトルの選定やトーナメント構築で専門知見を提供する予定で、このイベントも2027年のオリンピックへのプロセスの一つになる可能性がある。

IOCは当初、この大会を2年ごとの継続開催とするビジョンを示しており​、2027年以降も定期的に「eスポーツのオリンピック」を開催していく計画だ。

業界関係者やファンの反応は様々

eスポーツ業界やファンからはオリンピック開催に関しては歓迎の声が多い。

IOCによる世界規模の大会創設は競技ゲームの地位向上につながる転換点と捉えられており、「eスポーツが正式なスポーツ競技として認知される画期的な一歩」と評価する意見もある。

一方で、開催国となるサウジアラビアは近年巨額の資金を投じてスポーツ大会を誘致しており(2034年にはサッカーワールドカップが開催される)、その狙いについて「自国の人権弾圧に関するイメージ向上を狙ったスポーツウォッシングではないか」との批判も出ている。

また競技種目の選定についてもIOCが掲げる「五輪の価値観に合致したゲーム」という基準により、『Counter-Strike』や『Valorant』といった人気シューティングゲームが除外される可能性が指摘されており、コアなゲーマー達から「本当に盛り上がるタイトルが採用されるのか」という不安も聞かれる。

いずれにせよ2027年のオリンピックというeスポーツの歴史に名を残すことになるイベントへ向けて、2025年は試金石となりそうだ。

オンラインギャンブル業界に携わり16年以上のキャリアを持つ。欧州を中心にカジノ運営やゲーム開発の分野で経験を積み、現在はオンラインカジノのレビューや戦略記事を執筆する専門ライターとして活動。ルーレットやスロットの分析に精通し、プレイヤーがより良い選択をできるよう有益な情報を発信している。業界のトレンドや新しいゲームの研究を日々続け、信頼できる情報提供を心がけている。